9月議会の一般質問では、
市内で実際に農業を営んでいる皆さんとの懇談をもとに、
鹿嶋市の農業政策について質問しました。
農家の皆さんから聞こえてきたのは、
単純に「もっと補助金を出してほしい」という声だけではありませんでした。
「制度があるなら、使えるように行政にも一緒に動いてほしい」
「良い農産物を作っているのだから、
市にも一緒に売る努力をしてほしい」
「鹿嶋で作った農産物を、
鹿嶋の子どもたちにも食べてもらいたい」
こうした現場の声をもとに、
「農産物のPR」
「直売所」
「農村地域での生活環境」
「学校給食と地産地消」
について、市の考えを確認しました。
鹿嶋産の農産物は、まだまだ知られていない
農家の皆さんとの懇談の中で、
「鹿嶋市は農業の宣伝力が弱い」という率直な意見がありました。
鹿嶋市では、ピーマン、レンコン、メロン、米など、
さまざまな農産物が生産されています。
しかし、市外の人に
「鹿嶋市の農産物といえば何ですか」
と聞いたとき、すぐに答えが返ってくるでしょうか。
鹿嶋市といえば、鹿島神宮、鹿島アントラーズ、臨海工業地帯という印象が強く、
農業については、その魅力がまだ十分に知られていないと感じます。
問題は「良い農産物がない」のではなく、
「良い農産物があることを知られていない」こと
だと考えています。
市はこれまで、どんなPRをしてきたのか
市の答弁
市では、これまで農産物の認知度向上やPRを
重要な課題として取り組んできたとの説明がありました。
具体的には、市内イベントでの農産物販売、
商工会主催イベントでのPR、ホームタウンデイズ、
「鹿島なでしこ」や「はまぐり祭り」などでの販売・情報発信、
さらに鹿島アントラーズとの連携なども行ってきたとのことです。
また、市公式SNSなども活用し、
生産者のこだわりや栽培の様子を発信することで、
鹿嶋産農産物の魅力を伝えてきたとしています。
一方で、PRによって需要が増えた場合、
現在の生産体制では供給量が追いつかない可能性がある
という課題も認識しています。
そのため今後は、単に宣伝を増やすだけではなく、
農地の集約や新規就農者の確保、生産量の安定化などと合わせて
取り組んでいく考えが示されました。
鹿島アントラーズ、ふるさと納税、市内飲食店、観光イベントなど、
鹿嶋市には鹿嶋市ならではの強みがあります。
こうした強みを、
農業のPRにも、もっと活用できると考えています。
「鹿嶋で作ったものを鹿嶋で買える場所」が少ない
次に取り上げたのが、
農産物を販売する場所です。
「地元で作ったものを、地元で売る場所がない」
市内にはJAなめがたしおさい鹿嶋農産物直売所があります。
市の答弁
近年、直売所では
出荷者数や年間販売額が減少しており、
施設の老朽化なども課題になっているとの説明がありました。
また、JAや直売所協力農家、市、県などで協議を行い、
出荷者の確保や組織体制の見直しについて
検討を進めているとのことです。
農家が自分たちで直売所を作る場合、市も支援へ
私は、農業者が共同で直売所を開きたい場合に、
用地、施設整備、販売設備、許認可、PRなどを
行政が支援する仕組みが必要ではないかと提案しました。
市の答弁
農業者が共同で直売所を開設・運営しようとする場合には、
既存の農産物直売所への参加や、
必要に応じた支援について検討する
との考えが示されました。
さらに将来的には、農産物だけでなく水産物なども加え、
農業、水産業、観光を結びつける販売拠点についても、
農業者や観光客にとって魅力ある施設となるよう
考えていくとの答弁でした。
大規模な「道の駅」をすぐ造るという話だけではありません。
鹿嶋で採れた新鮮な農産物を、
市民が鹿嶋市内で買える環境を増やすこと
が大切だと思います。
堆肥の臭いや農作業の音――農家と新住民の双方が暮らしやすく
農業地域では、堆肥の臭い、農業機械の音、
砂ぼこりなどについて住民から苦情が寄せられることがあります。
もちろん、農家側にも周辺住民への配慮は必要です。
一方で、農業を続ける以上、
堆肥を使えば一定の臭いが発生し、
トラクターを動かせば音が出ます。
時期によっては、
早朝から作業しなければならないこともあります。
農家と新しく住む人の
「どちらが悪い」という話にするのではなく、
移住・転入する前に、
「ここは農業地域です」と地域の実情を知らせること
が重要だと提案しました。
市も、農業地域の生活環境を事前に周知へ
市の答弁
これまで農薬の適正利用などについては、
ホームページや広報紙で周知してきたものの、
農業地域に新しく住む方に対して、
臭気や農作業音などを事前に知らせる仕組みは
十分ではなかったとの認識が示されました。
今後は、肥料を撒く時期や農繁期の時期、
農作業に伴う臭いや騒音などについて、
市のホームページや広報紙などを活用し、
定期的・広域的に周知していく
との答弁がありました。
また、新たに転入する方についても、
宅地建物取引業者など関係団体への協力を呼びかけ、
地域の実情を事前に説明できる仕組みを
検討していく考えが示されました。
農業を守ることと、
新しく住む方が安心して暮らすこと。
この二つを両立させることが重要だと思います。
鹿嶋産の農産物を、鹿嶋の子どもたちの給食へ
最後に取り上げたのが、
学校給食と地産地消です。
市内のレンコン農家の皆さんから、
「鹿嶋で作ったレンコンを、
鹿嶋の子どもたちに食べてもらいたい」
という声を伺いました。
私も、ぜひ実現してもらいたいと思っています。
学校給食ですから、
価格、規格、数量、衛生管理、調理設備など、
さまざまな条件があることは理解しています。
農家側から「提供したい」という申し出があるのであれば、
「できません」で終わるのではなく、
「何が障害なのか」「どうすれば使えるのか」を考える。
農家、農林水産課、教育委員会、給食センターが
一緒になって考えるべきだと思います。
市も「協議の場」を設けている
市の答弁
地元産の新鮮な農水産物を学校給食に活用することは、
子どもたちの地域産業への理解を深めるだけでなく、
地元への愛着や誇りにつながる重要な取り組みとの考えが示されました。
鹿嶋市では平成28年度から、
地元食材を使った給食を継続的に実施しています。
一方、地場産農産物の導入拡大には、
学校給食で求められる規格や必要数量の確保、
安定した供給時期の調整などの課題があるとのことです。
そのため現在は、
農林水産課、教育委員会、給食センターなどによる
地場産農産物の活用についての協議の場を設け、
提供可能な品目、時期、数量、受け入れ方法などについて
話し合いを進めている
との答弁がありました。
鹿嶋で農業をしている人がいる。
その人が作った農産物を、鹿嶋の子どもが食べる。
そして学校で、
「このレンコンは鹿嶋で作られています」
「このピーマンは鹿嶋市内の農家が作りました」
と伝える。
作った人と、食べる子どもたちが、
「鹿嶋」という地域でつながる。
それこそが、本当の意味での地産地消につながるのではないでしょうか。
「作る農業」から「売れる・食べてもらえる農業」へ
今回、農家の皆さんと話をして改めて感じたのは、
農業政策は「生産するところ」だけを支援すればよいわけではないということです。
作った農産物を、どう知ってもらうのか。
どこで売るのか。
市民に、どう食べてもらうのか。
そして、農業地域で
農家と住民がどう共存していくのか。
こうしたところまで行政が一緒になって
考える必要があります。
鹿嶋には、良い農産物があります。
あとは、それを「鹿嶋の農業」として、
どう育て、どう売り、どう次の世代につないでいくかです。
今回の答弁では、
PRの継続と強化、直売所への支援、
農業地域の生活環境の周知、
学校給食での地場産農産物活用など、
それぞれについて市の方向性が示されました。
農家の皆さんから聞いた現場の声が、
実際の施策につながっていくのか。
今後も議会で確認していきたいと思います。

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