地域経済への効果は?
令和7年度決算を審査した都市経済分科会では、 ふるさと納税、鹿嶋ブランド開発、 チャレンジショップ、鹿嶋まつりなど、 地域経済を支える事業についても質疑を行いました。
補助金や広告費を使う以上、 大切なのは 「実際にどのような成果が出たのか」 という点です。
今回は、鹿嶋市の商工・地域経済施策について、 数字を見ながら整理します。
ふるさと納税、寄附単価が42%増
市の答弁
主な要因は2つです。
一つは、焼き芋など、 これまで寄附額が低かった返礼品の 寄附額を見直したこと。
もう一つは、 米などの定期便の寄附が伸びたことです。
返礼品の中身だけでなく、 寄附額の設定や「定期便」という売り方によっても、 寄附単価が大きく変わることが分かります。
広告の効果「ROAS731%」とは?
市の答弁
ROASは、広告費に対して どれだけ寄附があったかを見る指標です。
1万円の広告費で1万円の寄附があれば100%。 1万円の広告費で7万円の寄附があれば700%となります。
令和7年度のROASは 731% だったとのことです。
広告については、 「出した」「見てもらった」で終わるのではなく、 どれだけ寄附につながったかを 具体的な数字で確認することができます。
こうした指標を継続的に確認することが、 効果的な予算配分につながります。
定期便は送料が増えて損をしない?
市の答弁
定期便については、 発送回数が増える分の送料を 寄附額に含めて設定しています。
そのため、定期便だから市の収入が減る、 ということにはならないとの説明でした。
「鹿嶋ブランド」は育っている?
商工業振興では、 新しい「鹿嶋ブランド」の開発にも取り組んでいます。
市の答弁
新しい事業提案を掘り起こし、 事業化のきっかけを作れた点では 一定の成果があったと考えています。
ブリトー事業では売上が発生し、 クラフトおつまみも商品化が進んでいます。
残る3つの提案についても、 拠点整備や実証的な取り組みが進んでいます。
一方で、 事業化後の定着や売上拡大につなげることが 今後の課題です。
コンテスト形式だけではなく、 商品化に直結する事業者へ30万円~50万円程度を給付するなど、 より多くの人が挑戦できる仕組みも考えられるのではないか。
ブランドづくりと店舗支援の 予算配分を考える必要があるという意見も出されました。
チャレンジショップ、人通りが少ない
鹿島神宮周辺では、 チャレンジショップ支援事業も行われています。
市の答弁
人通りが少ないことは認識しています。
大町通りに看板を設置したり、 店舗のSNSで周知するなど取り組んでいますが、 まだ解決には至っていません。
今後、スタンプラリーなど、 まち歩きにつながる仕組みも検討していきます。
また、運営受託業者でも、 鹿島神宮周辺の店舗から協賛金を集めてパンフレットを作り、 駐車場などで配布して、 QRコードから店舗へ誘導する取り組みを行っています。
支援エリアは広がりすぎていない?
市の答弁
対象区域は令和2年度から変わっておらず、 中心市街地活性化計画の区域を対象としています。
神宮周辺から離れている店舗もありますが、 都市計画上の商業地域であり、 その区域に商業機能を集積していく方針です。
「うまくいっている」だけでは成果が分からない
補助金を使って出店した店舗が、 その後どのような経営状況になっているのか。 ここも重要な論点です。
市の答弁
会計面までは調査していません。
昨年度末に経営状況についてアンケートを行い、 「概ね想定通り」とする回答が多かったとのことです。
一方で、想定よりうまくいっていない事業者もあり、 相談があれば商工会と連携しながら 支援を検討しています。
「うまくいっているか」という問いでは、 本人の主観による回答になってしまいます。
売上の開示が難しいのであれば、 従業員数など雇用面から確認するなど、 客観的な指標を作る必要があるのではないか。
令和2年度から積み重ねれば、 事業規模はかなり大きくなっています。 補助金を受けずに自力で経営している事業者にも 納得してもらえる成果検証が必要だという意見が出されました。
補助金は、 支出した時点で事業が終わるわけではありません。
出店した店舗が継続しているか、 雇用が増えたか、 地域への回遊につながったか などを確認してこそ、 次の政策判断につながります。
鹿嶋まつりに市から500万円
鹿嶋まつりについても、 補助金の規模や使途を確認しました。
実行委員会は、 鹿嶋市、商工会、観光協会、日本製鉄、 鹿島アントラーズなど、 約20団体で構成されています。
年々予算が下がってきている中で、 天候の影響もありますが、 来場者数の増減も気になるところです。
500万円という市の補助金が、 市民へしっかり還元されるような運営を してほしいとの意見が出されました。
今回の質疑では、 ふるさと納税については ROASのような数字で成果を確認している一方、 チャレンジショップでは 客観的な効果測定がまだ十分とは言えない部分も見えてきました。
ふるさと納税、 鹿嶋ブランド、 チャレンジショップ、 鹿嶋まつり。
それぞれ目的は違いますが、 共通しているのは、 地域経済を元気にするために市のお金を使っている ということです。
だからこそ、 「何をしたか」ではなく「何が変わったか」 を見ることが重要だと思います。
売上、雇用、来場者、回遊、 寄附額、広告効果など、 それぞれの事業に合った指標を定め、 成果を確認しながら続けることが、 より効果的な地域経済施策につながると考えます。
※令和7年度決算審査・都市経済分科会での質疑及び答弁をもとに、 読みやすいよう要約・整理しています。

コメント