難病患者にも雇用支援の流れ

難病患者にも雇用支援の流れ

先日、日経新聞の報道で「障害者雇用率の対象に、障害者手帳を持たない難病患者も含める方向で厚生労働省が検討を進めている」という記事を目にしました。

これは、これまで制度の「狭間」に置かれてきた多くの難病患者にとって大きな希望を抱かせる動きです。

私も市議会議員としてこれまで、難病患者の支援を訴えてきました。診断がつかず、症状が軽い段階でも「働けない」「理解されない」という立場に置かれることの不公平を正したいと願ってきました。

特に、障害者手帳を取得できない、あるいは対象疾患に含まれない難病を抱える方々には、制度の外に置かれたまま日々を過ごしている方が少なくありません。

もしこの報道どおり、障害者雇用率の対象に難病患者(手帳を持たない人も含む)が広がることになれば、企業が難病患者を雇用するインセンティブが高まり、就労のハードルが少しでも下がる可能性があります。これは単なる労働面での支援にとどまらず、「社会参加」「自己尊厳」「経済的自立」までを含んだ包括的な支援の一歩になるでしょう。


制度の狭間にある人々 — 私が議会で感じてきた現場の声

私が議会で聞いてきた声は、非常に切実です。たとえば「症状はあるのに障害者認定ができず、就労支援の枠組みに入れない」「体調に波があるから定時勤務は難しい」「働きたいけど採用されない」——こうした言葉を、何度も耳にしてきました。

東京新聞さんも特集を組んで問題提起してくれており、私も議会でとりあげたこともあります。
「病名知られたら働けない…」難病患者の4割強が雇用義務対象から漏れている現状 政府が制度見直し検討へ

ある難病患者の方は、面接段階で「健康状態を詳しく書いて」と言われた挙句、採用を見送られる経験をされたと語ってくれました。もう一人は、体調が安定しない日が多く、定期出勤と欠勤の波が激しいため、就業契約を結んでも解雇リスクを負わなければならないという不安を抱えていました。こうしたケースを前に、「いい制度をつくろう」という言葉だけでは足りないと感じています。

私自身、議会の場で何度も「難病患者が制度の谷間に落ちることなく、生きがいをもって働ける社会を」と訴えてはきましたが、これは全国規模で活動されている団体様の地道の活動の成果です。


運用面、受け入れ側の理解も必要

ただし、今回の新聞報道には希望がある一方で、慎重に見なければならない点もあります。制度が拡大すると言っても、企業への義務付け強化だけでは実効性が伴わない恐れがあります。例えば、適切な配慮なしに義務だけを課せば、形式的な雇用にとどまるケースが増えるかもしれません。

また、健康に波がある難病患者には、柔軟な勤務形態(時短、在宅勤務、フレックス制度など)が不可欠です。これが制度設計に明確に盛り込まれなければ、新たな形で「働けない難病者」を生み出す危険性もあります。

さらに、制度の拡大が実際にどの疾患を対象とするかという「線引き」も課題です。報道されているように「手帳のない難病患者”も対象に含める検討が始まれば、それは制度の根幹を変えるものですが、どの基準で認定するか、制度の複雑化や運用コストの増大という負荷も無視できません。

法制化されれば、逆に、障がい者の方々が、雇用の枠から押し出されることも考えなければいけません。現在の障がい者の法定雇用率は2.5%とされています。

少なくとも、この雇用率の枠を拡大しないかぎり、全体での障がい者・難病患者の就職率は増えないので、雇用率を増やすことも必要でしょう。また職場に申告せずに、難病患者の方がすでに働いているケースもあると思います。その場合も、新規の採用枠が設けられるわけではないでしょう。

今後、制度のすり合わせが進んでまいりますが、市議会からも国に、意見を挙げていければと考えております。

コメント

タイトルとURLをコピーしました