東関東自動車道(潮来~鉾田)開通で鹿嶋はどう変わる?—一般質問のご報告
鹿嶋市議会の本会議で、**東関東自動車道(水戸線)・潮来~鉾田間の開通(令和8年度中見込み)**が本市にもたらす影響について質問しました。以下、担当部局からの答弁要旨と私の所感をまとめてご報告します。
1️⃣ まず前提:開通区間と目的
- 未開通は潮来IC~鉾田ICの約30.9km。
- 目的は、鹿島港・茨城港・成田空港・茨城空港へのアクセス向上、常磐道・国道51号の災害時代替ルート確保、北関東と東関東の広域連携促進(都市整備部より)。
2️⃣ 交通量の変化(推計)
事業評価監視委員会(令和6年12月公表資料)に基づく令和22年度(開通後15年)の推計です。
- 国道51号:14,400台/日 → 12,400台/日(▲2,000台)
- 県道18号(茨城~鹿島線/北浦沿い):9,700台/日 → 7,900台/日(▲1,800台)
- 県道242号(鉾田鹿嶋線):個別調査点なし。ただし同様に減少見込み(都市整備部答弁)。
私見:通過交通が減る=安全性や騒音の改善が期待できる一方、給油・買い物等の沿道消費は一部減少の可能性。バランスを見る必要があります。
3️⃣ 救急搬送の効果(具体的短縮)
関東地方整備局の資料に基づく救急搬送時間の短縮試算(起点:鹿嶋市役所)。
- 土浦協同病院:76分 → 65分(▲11分)
- 水戸医療センター:65分 → 55分(▲10分)
鹿行地域には第3次救急がないため、域外搬送の選択肢拡大と時間短縮は市民の命を守る上で大きな前進(健康福祉部答弁)。
4️⃣ スタジアム試合時の渋滞対策
- 新IC:潮来行方ICは潮来ICから北へ約11km(潮来市・行方市境)。大野地区に最寄りで日常の利便性向上に期待。
- 渋滞ボトルネックは潮来IC入口/大船津北/洲崎(協議会資料)。
- 観客の多くは試合後東京方面へ向かうため、新ICの直接効果は限定的。ただし広域的な分散で全体の円滑化は見込める(都市整備部答弁)。
5️⃣ 経済・観光への影響をどう測るか(市の検証計画)
開通前後を継続的に検証するため、次の三つのデータを活用(経済振興部答弁)。
- 観光入込客数:令和6年度は約177万人。開通前後の増減を追跡。
- 市町村民経済計算(茨城県):
- 市内総生産:5,382億6,400万円(R4)
- 宿泊・飲食サービス業の付加価値額:39億6,600万円(構成比0.7%)
- ※統計は概ね3年遅れで公開。令和8年の比較は令和11年に可能
- 人と車の流れ:
- RESAS通過人口メッシュ(携帯位置情報由来)で年代別通過人口を可視化。
- 道路交通センサス(5年ごと)で交通量を把握。
- 測点は影響が大きい神宮橋・新神宮橋付近
私からは、潮来・行方と連携し、広域で同一指標・同一手法によるモニタリングを提案しました。県とも協力し、北関東(福島・栃木・群馬)方面への誘客・広域プロモーションを強化すべきです。
6️⃣ 私の提案(開通を追い風にするために)
- ①「通過」から「目的地」へ:スタジアム・港・自然・食を核に周遊ルートと滞在型メニューを造成(道の駅・直売所・飲食の回遊動線づくり)。
- ② 看板・誘導の最適化:主要交差点・新ICからのサイン計画を見直し、鹿嶋に寄り道したくなる導線へ。
- ③ 事業者支援:沿道の小売・飲食・給油のデータ連携・販促支援(共同キャンペーン、デジタルクーポン)。
- ④ 交通安全と暮らしの質向上:交通量減少区間で歩行者空間・自転車安全・生活道路の静穏化を同時に進める。
- ⑤ 救急搬送の実装面強化:広域搬送プロトコルや合流拠点の確認、ドクターヘリ連携の運用検証。
質問を終えて
高速道路の全線開通は、救急・物流・広域交流に大きなプラスをもたらします。一方で、通過需要の減少による影響を最小化し、「選ばれる目的地・鹿嶋」に磨きをかけられるかが勝負どころです。
市・近隣市・県・関係機関と力を合わせ、データに基づく機動的な対策を求めてまいります。皆さまの現場感覚やご提案を、ぜひお寄せください。


コメント