難病「脳脊髄液減少症」— 請願提出に向けた打ち合わせのご報告

難病「脳脊髄液減少症」— 請願提出に向けた打ち合わせのご報告

みなさん、こんにちは。

本日は、脳脊髄液減少症の患者ご家族から「県や市に対して請願を出したい」というご相談を受け、関係者で行った打ち合わせの内容を、市民のみなさんにもわかりやすくご報告します。結論からお伝えすると、茨城県内の医療体制は極めて脆弱で、患者さんが県外に長距離移動して高額な治療を受けざるを得ない状況が続いています。私たちは、難病指定の働きかけと県内拠点病院の設置を軸に、12月議会へ請願を提出する準備を進めます。


病気の概要と、見えにくい実態

脳脊髄液減少症は、交通事故や転倒、スポーツ外傷、出産・麻酔の際の穿刺などを契機に髄液が漏れ、脳が下がることで起こる病気です。強い頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、倦怠感、ふらつきなど多彩な症状が続き、ときに寝たきりに近い生活を強います。気圧や天候に症状が左右されたり、地震や月齢の変化に反応したりと周囲に理解されにくい特徴もあります。

特に深刻なのは、子どもたちが「不登校」や「怠け」と誤解されるケースです。横になっていれば少し楽なため、寝転んで過ごす様子だけが目立ち、家族や学校に本当の辛さが伝わりません。起立性調節障害と症状が重なることも多く、未診断のまま年単位で見落とされることが指摘されています。茨城県内では不登校が増加しており、グレーゾーンも含めた潜在患者は一万人規模になり得るとの見立ても共有されました。


診断・治療の壁

日本では「脳槽シンチグラフィー」など身体的負担の大きい検査が重視されがちで、子どもには酷です。海外では造影MRIやCT、血液検査など低侵襲の診断も用いられていますが、国内導入は遅れています。主な治療であるブラッドパッチ(自家血を用いて漏れを塞ぐ)は有効例もある一方、再発や多回数実施でも改善しない例があり、後遺症リスクや術後説明不足も課題です。外科的に漏出部位を縫合する根治的手術は国内で担える医師が極めて少なく、治療選択肢が狭い現実があります。


県内医療体制の深刻さ

茨城県内には、保険適用のもとで確定診断から治療まで一貫して担える医療機関が事実上存在しません。患者さんは兵庫・静岡・神奈川など遠方へ通院せざるを得ず、費用・体力・家族負担は限界です。基準上は対応可能とされる病院があっても、経験や人員、連携体制が不十分で受け入れを断られる実態も共有されました。採算性が低いという理由で医療側の参入が進まず、**制度の形骸化(認定だけ残る)**も問題視されています。

また、交通事故起因のケースでは保険会社が「研究段階」として支払いを拒むなど、医療・制度・補償が三重苦になっています。生活保護の方が県外受診を希望しても、「県内で治療できる」との誤認で認められにくい事例もありました。


請願の骨子(案)

打ち合わせでは、次の二本柱で請願・意見書をまとめる方向で合意しました。

  1. 国への要請

  • 本疾患の難病指定の検討と、研究・診断基準のアップデート(低侵襲診断の導入や座位MRI等の普及)

  • 治療選択肢拡大(外科手術を含む専門治療の確立)と診療報酬の適正化

  1. 県への要請

  • 県内に少なくとも1つ、確定診断から治療・入院管理まで担える拠点病院の早期設置

  • 24時間対応体制、術後安静確保の入院病床、専門職の人員配置・連携強化

  • 学校現場(養護教諭に限らず部活動担当含む)や医療従事者への啓発・研修の徹底

  • 交通事故由来の患者が適切に治療・補償につながるよう、保険実務の是正に向けた国への働きかけ

重要ポイントとして、国宛の意見書では「難病指定」と「研究推進」を項目分けすることで、政策ルートを明確にする案を採用します。請願文面も3項目に統一して整合をとる方向です。


手続きとスケジュール

  • 12月定例会に請願提出を目標に、11月中に原案共有・誤字修正(「鹿嶋」の表記など)・体裁統一を行います。

  • **紹介議員になれない立場(正副議長・委員長等)**があるため、会派代表者会議で事前調整し、全会一致を目指します。

  • 県内44市町村での意見書採択が広がっており、連携の輪をさらに強める方針です。


教育と地域への波及

養護教諭向けの研修は一部実施されていますが、学校全体への浸透は途上です。ポスター掲出や勉強会を通じ、子ども・保護者・教員が同じ情報に触れられる環境を作ることが急務です。医師会への協力が進みにくいなかで、看護師・放射線技師などの労働組合ルートから現場改善を働きかける案も共有しました。地域全体で**「見えない痛み」を理解する文化**を育てたいと思います。


私の考えと、市民のみなさんへのお願い

この課題は「一つの病気の話」を超えています。診断基準・医療提供体制・教育・補償制度・情報発信がバラバラなままでは、弱い立場の方ほど取り残されます。だからこそ、議会の役割は**声を束ね、制度を動かす“橋渡し”**であるべきです。

私は、

  • 国には難病指定と研究推進を強く求め、

  • 県には拠点病院の早期設置と人員・病床の確保を求め、

  • 市としては学校・地域・医療の啓発と連携を地道に進める、

    この三層の同時並行を訴えていきます。

12月議会へ向け、請願の文面を読みやすく・ブレのない形に整えます。市民のみなさんには、実態の共有や署名協力、学校・地域での情報の回し合いをお願いできれば心強いです。小さな声でも、集まれば政策を動かす力になります。どうか力を貸してください。

引き続き、進捗はこのブログでご報告します。必要な情報やお困りごとがあれば、遠慮なくお寄せください。

「見えない痛み」を見える化し、治療と学びのチャンスを、茨城の地元で。 私も全力で取り組んでまいります。

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