茨城県が「敬老の日」にちなんで、県内の高齢者人口について最新の統計を公表しました。
県の推計では、2026年9月21日時点の65歳以上人口は
84万7,532人、高齢化率は31.2%
となり、いずれも過去最高となる見込みです。
県民のおよそ3人に1人が65歳以上という時代になりました。
では、鹿嶋市はどうなっているのでしょうか。
鹿嶋市の高齢化率は33.4%に
県が公表した市町村別の直近の確定値を見ると、鹿嶋市の65歳以上人口は
2万936人
です。
前年と比較すると127人減っています。
ところが、高齢化率を見ると、前年より0.30ポイント上昇して
33.4%
となりました。
「高齢者が127人減ったのに、なぜ高齢化率が上がるの?」と思われる方もいるかもしれません。
ここが今回の数字を見るうえで、とても重要なところです。
高齢者の人数が減っていても、
市全体の人口がそれ以上のペースで減少すれば、人口に占める高齢者の割合は上昇します。
つまり鹿嶋市では、単純に「高齢者が増えている」というだけでは説明できない、人口減少と高齢化が同時に進んでいるということです。
「高齢者が何人いるか」だけでは見えてこない
私は、この数字を見て、これからの鹿嶋市の高齢者福祉を考えるときには、単純な高齢者人口だけを見ていてはいけないと思います。
例えば、高齢者が100人減ったからといって、高齢者福祉の需要も同じように減るとは限りません。
大切なのは、
「高齢者が何人いるか」だけではなく、
「どのような暮らしをしている高齢者が何人いるのか」
という視点です。
必要な支援は、暮らし方によって変わります
一人暮らしなのか。
高齢者だけの世帯なのか。
車を運転できるのか。
近くに買物できる場所があるのか。
病院までどのように通っているのか。
困ったときに相談できる家族や近所の人がいるのか。
こうした生活の実態によって、必要となる支援は大きく変わります。
地域福祉推進員制度の見直し――本当に心配なのは「空白」です
鹿嶋市では現在、高齢者を地域で支えてきた仕組みについても、大きな転換期を迎えています。
これまで地域福祉推進員の皆さんが、一人暮らしの高齢者への訪問や見守りなどを担ってきました。
市はこの仕組みを見直し、新しい高齢者の見守り・支援体制へ移行しようとしています。
私は、制度を未来永劫まったく変えてはいけない、と言っているわけではありません。
高齢者の状況も変わりますし、人材確保や財政の問題もあります。時代に合わせて制度を見直すことは必要です。
しかし、一番確認しなければならないのは、
制度を変えた結果、これまで把握できていた高齢者が誰にも把握されなくなる「空白」が生まれないか
ということです。
今回の統計でも、鹿嶋市民の3人に1人以上が65歳以上です。
これだけ高齢化率が高くなっている中で、見守りの仕組みを弱くしてしまえば、孤立している高齢者を見つけることが難しくなる可能性があります。
地域包括支援センターに負担を集めすぎていないか
高齢者福祉で、これからさらに重要になるのが地域包括支援センターです。
介護の相談だけではなく、認知症、介護予防、生活上の困りごとなど、高齢者や家族にとって身近な相談窓口となっています。
鹿嶋市も、地域包括支援センターを高齢者支援の重要な仕組みとして位置付けています。
だからこそ、私は逆に心配しています。
「あれも包括、これも包括」と、地域包括支援センターへ役割を集めすぎていないか。
高齢者人口だけを見れば減少していたとしても、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が増えれば、相談や見守りに必要となる手間はむしろ増える可能性があります。
人数だけでなく、現場の負担も確認する
高齢者人口の増減だけではなく、各地域包括支援センターが何人を担当しているのか、どの程度の相談件数があるのか、職員一人当たりの負担はどうなっているのか。
こうした数字も確認していく必要があると思います。
デマンドタクシーは「移動手段」だけの問題ではありません
そして、高齢化を考えるうえで避けて通れないのが「移動」の問題です。
車を運転できる間は、買物にも病院にも自分で行くことができます。
しかし、免許を返納したり、体力的に運転が難しくなったりすると、途端に日常生活そのものが不便になる場合があります。
そこで重要になるのが、デマンド型乗合タクシーなどの公共交通です。
私はこれまでもデマンドタクシーの料金体系や利用状況について、議会で取り上げてきました。
しかし、これからは単に「年間何人が利用したか」だけではなく、
高齢化率、一人暮らし高齢者の人数、免許返納者、通院・買物需要などと合わせて公共交通を考える必要がある
と思っています。
公共交通は、高齢者の生活を支える基盤
公共交通は単なる「移動サービス」ではありません。
病院へ行ける。
買物へ行ける。
人に会いに行ける。
地域とのつながりを保つことができる。
高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるための生活基盤の一つです。
高齢化率33.4%を「数字だけ」で終わらせない
今回公表された「鹿嶋市の高齢化率33.4%」という数字は、単なる統計ではありません。
この数字の向こう側には、一人暮らしの方もいれば、介護を必要としている方、まだまだ元気に仕事や地域活動を続けている方もいます。
高齢者を一括りにして考えることもできません。
だからこそ行政には、
人数ではなく「暮らし」を見る高齢者福祉
が必要だと思います。
高齢になっても鹿嶋で暮らし続けるために
見守り。
相談。
通院。
買物。
移動。
介護予防。
地域とのつながり。
それぞれの制度を別々に考えるのではなく、「高齢になっても鹿嶋で暮らし続けるためには何が必要なのか」という一つの視点で考えていかなければなりません。
高齢者数が127人減ったから、高齢者施策も縮小してよい、という単純な話ではありません。
むしろ高齢化率が33.4%まで上昇している今だからこそ、
地域福祉推進員制度の見直し後に支援の空白が生まれないか。
地域包括支援センターの負担は適正なのか。
デマンドタクシーや買物・通院支援は十分なのか。
社会福祉協議会についても、人員が不足しているとの声があります。
こうした課題を、一つ一つ確認していく必要があります。
今回の数字を一つのきっかけとして、鹿嶋市のこれからの高齢者福祉について、引き続き議会でも考えていきたいと思います。

コメント