9月議会では、
補正予算について委員会で審査を行いました。
今回の一般会計補正予算は、
2億2,496万3千円を追加し、総額262億1,493万1千円
とするものです。
補正予算というと数字ばかりで分かりにくいのですが、
実際には道路の修繕、福祉、子育て、公共交通、防災、学校施設など、
私たちの生活に直接関係する予算が数多く含まれています。
今回の補正予算の中から、
委員会審査で特に気になった事業や課題を紹介します。
予算額だけでなく、
「なぜ必要なのか」
「今後どのような課題があるのか」
という視点から見ていきます。
道路の維持補修費を6,000万円追加
まず、市民生活への影響が大きいのが道路です。
道路維持補修費として
6,000万円を追加
補正後の予算額は、
4億3,677万円となります。
道路の穴や舗装の傷み、側溝など、
日常的に市民の皆さんから要望の多い分野です。
市の説明
今回の増額は、
年度内に必要な道路補修を続けるため、
当初の予算では不足することから追加するものとの説明でした。
一方で、例年の道路維持補修費と比べると
大きな金額になっています。
その中には約1億円規模の工事も含まれていますが、
それ以外にも30万円から200万円程度の
細かな補修工事が積み重なっています。
道路は、壊れてから直すほど
費用が大きくなる場合があります。
「壊れたら直す」だけではなく、
傷みを早く把握し、計画的に補修していく。
予防保全の考え方が、
今後さらに重要になってくると思います。
下水道管路で「1年以内の対応が必要」な箇所
もう一つ重要なのが下水道です。
全国的な重点調査の結果を受け、
土崎・宮中・木滝地区の下水道管路について、
修繕工事費として6,173万円が計上されています。
対象となるのは、
全長約755メートルのボックスカルバートです。
接続部分の破損など、
104か所を補修する予定です。
特に重要なのは、これらが国の基準で
「緊急度1」=1年以内に対応する必要がある箇所
と判定されていることです。
市の説明
今回の104か所については年度内の完成を目指すとのことです。
さらに、「緊急度2」とされた
5年以内の対応が必要な箇所も42か所確認されています。
今回の修繕だけで終わる話ではありません。
今後5年間で、どこを、いつ、
どの程度の予算で直していくのか。
長期的な修繕計画を示していく必要があると考えています。
物価高騰対策の交付金、どこに使うのか
今回も国の
「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」が、
さまざまな事業に使われています。
例えば、公共交通事業者への支援として
669万円が計上されています。
市内のバス事業者には1台30万円、
タクシー事業者には1台3万円の支援が行われます。
高齢者施設や障害者施設、
私立保育所などにも物価高騰対策の支援が行われます。
必要な支援だと思います。
「なぜこの事業に交付金を使い、
この事業には使わないのか」
配分の考え方が分かりにくい、
という指摘もありました。
市の説明
財政課からは、今後、
交付金の配分の考え方や全体像が分かる資料を
示していく
との説明がありました。
国から交付されるお金であっても税金です。
どのような基準で事業を選び、
どれだけ市民生活に効果があったのか。
分かりやすく説明する必要があると思います。
「サーキュラーエコノミー」に374万円
今回、新しい取り組みとして注目したのが、
「サーキュラーエコノミー」です。
サーキュラーエコノミーとは、
物を大量に作り、使い、捨てるという一方通行の社会から、
再利用・再資源化などによって、
資源をできるだけ循環させる社会を目指す考え方
です。
市の説明
鹿嶋市では今回、
ビジョン・アクションプラン策定の委託費として
374万円を計上しています。
財源には、
企業版ふるさと納税300万円なども活用されます。
また、鹿嶋まつりでリユースイベントを行ったり、
先進地を視察したりする予定とのことです。
重要なのは、
計画を作ることそのものではありません。
何年後に何を実現するのか。
ごみをどれだけ減らすのか。
企業とどのような事業につなげるのか。
こうした具体的な目標を持たなければ、
計画を実際の成果につなげることは難しくなります。
鹿嶋市には鹿島臨海工業地帯があります。
企業との連携を含め、
鹿嶋市の地域特性を生かした循環型経済に
つなげていけるのか、今後を見ていきたいと思います。
災害用井戸は33か所――しかし定期点検は?
防災関係では、
竹井地区にある災害非常用井戸のポンプが故障したため、
修繕費49万5千円が計上されました。
鹿嶋市内には、
災害非常用井戸が33か所あります。
ところが今回の審査では、
年間の定期点検が行われておらず、
故障してから分かるケースがある
ことも確認されました。
災害用の設備は、
災害が起きたときに初めて
「動きませんでした」では意味がありません。
非常用井戸だけではなく、
発電機や避難所設備などについても、
平時から定期的に確認しておく必要があります。
また、井戸がどこにあるのか、
どのような用途で使えるのかについて、
地域の皆さんへの周知も必要だと思います。
鹿島スポーツセンターは雨漏り対策へ
公共施設の老朽化も大きな問題です。
今回の補正内容
鹿島スポーツセンターでは、
屋上からの雨漏り対策や防火シャッター、
トイレ用ポンプの制御機器更新などとして、
合計1,169万3千円が計上されました。
また、中央公民館でもセンターホールの空調設備が故障し、
原因調査を行います。
最近の補正予算を見ると、
公共施設の設備故障や修繕が目立つようになっています。
施設が古くなれば、当然修繕は増えます。
その都度、壊れたところを直すだけではなく、
「いつ、どの施設に、
どれだけの修繕費が必要になるのか」
これを見通した維持管理が重要だと考えています。
農業ではスマート化・新規就農を支援
農業関係では、
生産性向上や省力化、新規就農を支援する補助も計上されています。
「儲かる産地支援事業」では、
スマート農業などの導入に対して
県が2分の1を補助します。
また、新規就農者への支援では、
国2分の1、県4分の1を合わせ、
最大で事業費の4分の3を補助する仕組みがあります。
今回の例では、
レモン栽培用のビニールハウスなどの整備も対象となっています。
私は一般質問でも農業政策を取り上げましたが、
農家の方からよく聞くのは、
単純に「補助金を増やしてほしい」という話だけではありません。
「どんな制度が使えるのか分かりやすく教えてほしい」
「申請をきちんと支援してほしい」
という声もあります。
良い制度があっても、
農家が知らなければ使えません。
行政には、制度を作るだけでなく、
必要な農家につなげていく役割も求められます。
給食調理・配送は5年間で最大7億9,750万円
学校関係では、
令和9年度から令和13年度までの
学校給食調理・配送業務について、
7億9,750万円
の債務負担行為が設定されました。
市の説明
金額が増えている大きな理由は、
人件費の上昇とのことです。
物価や人件費が上がる中、
行政サービスを維持するためのコストも確実に増えています。
単に「去年より高くなった」というだけではなく、
契約内容、人員体制、サービス水準などを確認し、
金額が妥当なのかを見ていく必要があります。
補正予算は「足りなくなったから追加」だけではない
補正予算というと、
「年度途中で足りなくなった予算を追加するもの」
と思われがちです。
もちろん、そのようなものもあります。
しかし今回の審査を見ても、
道路や下水道の安全性、
公共施設の老朽化、
子育て予算の積算、
国の交付金の使い方、
農業支援、防災設備など、
今後の鹿嶋市の行政運営につながる課題が
数多く見えてきます。
「予算を使ったか」ではなく、
「その予算で何が改善されたのか」を見ること。
道路に6,000万円追加したのであれば、
どれだけ市民からの補修要望を解消できたのか。
公共交通事業者を支援したのであれば、
市民の利便性向上につながったのか。
サーキュラーエコノミーの計画を作るのであれば、
数年後に具体的に何が変わるのか。
予算を認めて終わりではなく、
その後の成果まで議会として確認していくことが重要です。
今回の補正予算についても、
今後の執行状況をしっかり見ていきたいと思います。

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