鹿嶋市の観光を数字で検証
花火大会には何人が来たのか。
そのうち市外から来た人はどのくらいいるのか。
そして、鹿嶋市で実際にどのくらいお金を使ってもらえているのか。
観光事業は、イベントを開催するだけではなく、 「どのような効果があったのか」まで確認することが大切です。
今回は、花火大会を中心に、鹿嶋市の観光事業について委員会で交わされた質疑をご紹介します。
花火大会「2万7,000人」は、どう数えた?
令和7年度の花火大会では、入込客数が 約2万7,000人 とされています。
花火大会の2万7,000人という来場者数は、どのように数えているのでしょうか。 また、市外から来た人がどのくらいいるのか把握しているのでしょうか。
市の答弁
そのため、花火を打ち上げた後、会場をエリアごとに分け、3人で実数を数えて入込客数を推計しています。
鹿嶋まつりやはまぐり祭りの場合には、駐車台数に、県の基準である 「車1台当たり2.82人」を掛けて来場者数を算出しているとのことでした。
観光事業として考えるなら、 来場者数だけでなく「市外から何人来たのか」まで把握できるか が、今後の課題だと感じます。
花火大会は、本当に「観光」につながっているのか
今回の質疑では、 花火大会が単なる市民イベントではなく、 「観光振興事業」としてどのような効果を上げているのかという点も議論されました。
市の答弁
このことから、市としては 「市外からの来場者を増やすイベントである」と考えています。
一方で、市外から何人来たのかという具体的な数字は、 現在のところ把握されていません。
観光振興事業として実施する以上、 どの程度観光に寄与しているのかを確認する努力が必要ではないか、という意見が出されました。
有料観覧席の収入は、どこへ入る?
有料観覧席の収益は、市の収入になるのでしょうか。 それとも観光協会の収入になるのでしょうか。
市の答弁
そのため、市の一般会計の収入になるものではありません。
有料観覧席は、協賛金が集まりにくくなっている中で、 来場者にも一定の負担をしてもらうために始めたものです。
市は今後、観光協会と協議しながら席数や料金を見直し、 自主財源を増やして、市からの補助金を減らしていくことを最終的な目標 としていると説明しました。
花火大会は、毎年いつ開催するのがよい?
花火大会の開催時期についても複数の意見が出ました。
以前は夏の終わりに開催していましたが、 コロナ禍から再開した際には県補助金の関係で11月に開催。 その後、令和7年度は御船祭との関係から7月に開催されました。
市の答弁
10月開催については、 来場者にとっても参加しやすいという声があるため、 現在、10月を中心に観光協会と協議しています。
開催時期を固定するのか、 新しい来場者を獲得するために時期を変えるのかも含めて検討していきます。
「毎年○月○日」と決まっていれば、 市民にも観光客にも定着しやすいという考え方があります。
一方で、気候や台風リスク、他地域の花火大会との競合などもあります。
開催時期についても、 単に「いつなら開催しやすいか」だけではなく、 観光客を呼び込む効果まで含めて検討する必要がありそうです。
カシマスタジアムから花火を見る案も
カシマサッカースタジアムの観客席から花火を見られるような形はできないか。 アントラーズに事業を委託し、観覧席を販売する方法も考えられないか。
市の答弁
海や北浦では尺玉を打ち上げられるという利点があります。
一方、音楽、トイレ、売店などの面では スタジアムの方が効果が高いと考えられるため、参考にしたいとの答弁でした。
「何人来たか」だけでなく「いくら使ったか」
私が今回、特に重要だと感じたのが 観光消費額です。
観光客がたくさん来ても、 鹿嶋市内でほとんど消費をしなければ、 地域経済への効果は限られます。
そこで市では、令和6年度から観光アンケートを実施しています。
鹿島神宮への参拝、アントラーズ観戦、海水浴など、 訪問目的ごとにも消費額を把握しているとのことでした。
ただし、アンケート回答数は約100人から300人程度で変動するため、 市も「参考値」として捉えています。
しかし、本当に地域経済につながったのかを見るには、 「何人来たか」+「どれだけ市内で消費したか」 の両方を見る必要があります。
御船祭を生かしたバスツアーも検討
令和9年度に向けて、 「バスツアー造成支援事業」も検討されています。
観光協会が主体となって行った御船祭見学バスツアーでは、 大型バス5台、約200人が参加しました。
市の答弁
今後、効果を確認しながら、 観光客の増加や観光消費額の増加につながるよう実施していきたいとのことでした。
継続・見直しを判断する際にも、 実績データを次の事業に生かせるようにすべきとの意見が出されました。
4市で取り組む「東国水郷観光推進事業」
鹿嶋市だけではなく、 周辺自治体と連携した観光事業も行われています。
令和7年度の東国水郷観光推進事業では、 4市からそれぞれ150万円、合計600万円の負担金が入り、 繰越金などを合わせた収入は約750万円でした。
ただし、この事業によって 入込客数や観光消費額がどれだけ増えたのかという 効果測定の方法については、 現在4市で検討しているとのことでした。
何人来たのか。
どこから来たのか。
いくら使ったのか。
また鹿嶋に来てもらえたのか。
こうした数字を少しずつ積み重ねることで、 どの事業に力を入れるべきなのか、 より分かりやすくなると思います。
今回の質疑では、 鹿嶋市でも観光消費額の把握など、 これまでより一歩踏み込んだ分析が始まっていることも確認できました。
今後も、限られた予算の中で、 観光客の増加だけでなく、 地域の店舗や事業者にも効果が広がる観光施策になっているのか、 しっかり確認していきたいと思います。
※令和7年度決算審査・都市経済分科会での質疑及び答弁をもとに、読みやすいよう要約・整理しています。

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