鹿嶋市の市営住宅はこれからどうなる?――新設せず、老朽化施設は順次廃止へ

鹿嶋市の市営住宅はこれからどうなる?
新設せず、老朽化施設は順次廃止へ

令和7年度決算を審査した都市経済分科会では、 市営住宅の今後についても質疑を行いました。

建物が古くなれば修繕費がかかります。 一方で、人口減少が進む中、 今後も新しい市営住宅を造り続けるのかという問題もあります。

今回は、 市営住宅の維持管理、空き部屋、老朽化、家賃滞納、そして将来の施設の在り方 について、委員会で確認した内容を紹介します。

大規模修繕は令和8年度で完了予定

質疑
今後の市営住宅の維持管理は、 どのように進めていくのでしょうか。 また、空き部屋についてはどのように対応しているのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

長寿命化計画に基づく大規模修繕は、 令和8年度で完了する予定です。

入居者が退去した住宅については、 入居希望者が現れた段階で修繕を行い、 入居してもらう考えです。

空いた住宅をすべてすぐに修繕するのではなく、 入居希望が出た段階で必要な修繕をするという運用です。

県営住宅の空きは1戸

質疑
市営住宅だけでなく、 県営住宅の空き状況や、 今後の解体予定なども把握しているのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

県営住宅について、 現在入居可能な戸数は1戸です。

解体等の情報については把握していません。

20年後、耐用年数を迎える住宅はどうする?

今回、特に重要だったのが、 市営住宅そのものの将来方針です。

質疑
今後20年程度で耐用年数を迎える市営住宅もあります。 そうした施設について、 建て替えるのか、修繕して使い続けるのか、 今後どのように考えているのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

耐用年数を超え、 使用できなくなった施設から 順次用途廃止していく予定 です。

また、市営住宅を新たに建設することは 現在のところ考えていません。

「建て替える」のではなく「減らしていく」方向

市の答弁からは、 古くなった市営住宅をそのまま建て替えるのではなく、 使用できなくなったものから用途廃止していく考えが示されました。

人口減少や将来の維持管理費を考えると、 公共施設全体でも同じような判断が 今後増えていく可能性があります。

市営住宅の家賃滞納はどうなっている?

質疑
市営住宅の家賃滞納について、 どの程度の未収金が残っているのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

古い債権として約80万円が残っています。

本人が死亡しているため、 現在は相続人に対して請求しています。

それ以外の部分については、 ほぼ納付されています。

家賃滞納というと、 多額の未収金が継続している印象を持つかもしれませんが、 現在残っている大きな案件は、 過去の古い債権が中心ということでした。

市営住宅と同規模の解体実績はない

質疑
今後、市営住宅を用途廃止する場合、 建物の解体も必要になります。 これまで市では、同規模の建物を解体した実績はあるのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

これまで、 大船津保育園や高松緑地体育館などの 建物解体実績はあります。

ただし、市営住宅と同程度の建物を 解体した実績はありません。

今後、市営住宅の用途廃止が進めば、 解体費用や跡地利用についても 新たな課題になってきます。

空き部屋をどう考えるか

市営住宅は、 単に空き部屋を埋めればよいというものではありません。

今後の人口、住宅需要、建物の老朽化、 修繕費、解体費などを 総合的に考える必要があります。

修繕費をかけるか、将来廃止するか

入居希望があるたびに多額の修繕費をかけても、 その住宅が近い将来、耐用年数を迎えるのであれば、 費用対効果を考える必要があります。

一方で、市営住宅は 住まいに困っている方を支える役割もあります。

福祉としての役割と、公共施設としての維持管理 の両方を見ながら判断していく必要があります。

土地区画整理地は「早く売る」ことも課題

市営住宅とは別に、 平井東部土地区画整理事業についても質疑がありました。

質疑
土地区画整理事業では、 毎年の事業費もかかっています。 未売却地について、 今後どのように売却を進めるのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

民間の力も借りながら、 売却できるよう進めていきます。

その後は、 適正価格での売却についても検討していきます。

土地を保有しているだけでも、 事業には管理経費などがかかります。

そのため、 必要以上に長期間保有し続けず、 適切な価格で売却を進めることも重要です。

市営住宅も「将来の人口」を見ながら考える時代へ

今回の決算審査では、 市営住宅について、 今後の方向性が比較的はっきり示されました。

大規模修繕は令和8年度で完了予定。
耐用年数を超えた施設は順次用途廃止。
新しい市営住宅の建設は考えていない。

つまり、 これまでのように施設を維持・更新し続けるのではなく、 将来の需要に合わせて 市営住宅の規模を見直していく方向です。

人口減少が進む中では、 市営住宅だけではなく、 学校、公民館、スポーツ施設など、 多くの公共施設で同じ課題が出てきます。

「建物を残すこと」そのものを目的にせず、本当に必要な行政サービスをどう残すか という視点が、これからますます重要になると思います。

市営住宅が持つ福祉的な役割も守りながら、 将来の維持管理費とのバランスを どのように取っていくのか、 今後も確認していきたいと思います。

※令和7年度決算審査・都市経済分科会での質疑及び答弁をもとに、 読みやすいよう要約・整理しています。

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