令和7年度決算の総務生活分科会の資料では、 市民活動やボランティア活動を どのように支えていくかについても、 多くの質疑が記載されています。
特に大きな論点となっているのが、 市民活動保険の見直しと、 ボランティア活動交付金の3年間のサンセット方式です。
活動中にけがをした場合の補償はどうなるのか。 3年間の交付が終わった後に 支援が途切れることはないのか。
今回は、 資料に記載された質疑・答弁をもとに整理します。
市民活動保険の「傷害補償」を終了
まず取り上げられているのが、 市民活動保険の見直しです。
市の答弁
これまでは、 損害賠償補償だけでなく 傷害補償も対象とした保険に加入していました。
ただし、 この補償内容は 令和7年9月30日まで となっています。
役務費は約79万円から約4万円へ
保険内容の変更は、 事業費にも大きく表れています。
市の答弁
その認識で間違いないとの答弁です。
なぜ傷害補償をやめたのか
資料では、 傷害補償をなくした理由についても 説明されています。
市の答弁
見直しの理由として、
・個人で民間保険に加入している人が多いこと
・過去3年間の利用実績が計4件と少なかったこと
・県内で同様の保険に加入する自治体が限られていたこと
などが挙げられています。
一方で、 市は傷害補償が 活動する人の安心感につながっていた面も 認識しているとしています。
残したのは「損害賠償」への備え
市民活動保険そのものが なくなったわけではありません。
資料では、 過去に草刈り作業中の飛び石で 車を損傷し、 高額な賠償請求が発生した事例が 説明されています。
市の答弁
ボランティア活動中の事故によって、 個人が高額な賠償を負うことを避けるため、 損害賠償補償は残すという考えです。
今回の見直しでは、 ボランティア本人のけがに対する傷害補償と、 他人の物などを壊した場合の損害賠償補償を 分けて考えています。
市としては、 高額な賠償リスクへの備えを 残す形となっています。
市民全員が対象の「無記名式」
市の答弁
団体・個人にかかわらず、 市民全員を対象とした無記名式 となっています。
ボランティア交付金は3年間で一区切り
もう一つの大きな論点が、 ボランティア活動交付金です。
現在の制度は、 同じ団体への交付を 3年間で一区切りとする 「サンセット方式」となっています。
また、 ボランティア活動交付金そのものが なくなるのでしょうか。
市の答弁
サンセット方式の ボランティア活動交付金制度そのものは なくさず、継続します。
令和6年度当初に申請した団体は、 令和8年度が3年目となるため、 令和8年度中に新しい報奨金制度を制定する予定 です。
対象となる団体については、 令和9年度から 切れ目なく新制度へ移行できる見込みです。
新しい「特定公益活動報奨金制度」
新制度として準備されているのが、 仮称 「鹿嶋市特定公益活動報奨金制度」 です。
市の答弁
現在は、 予算確保や要綱制定に向けた 準備段階です。
具体的な金額については、 まだ示せないとしています。
正式決定後、 速やかに広報・周知するとのことです。
どんな団体を支援していくのか
資料では、 今後より支援すべき市民活動についても 質疑が記載されています。
市の答弁
市の事業に関わっている団体などを支援するため、 新しい報奨金制度の創設準備を進めています。
また、 宝くじの売上を財源とした コミュニティ助成事業補助金についても、 制度を周知し、 地域の要望に応じて申請を促していくとしています。
社会福祉協議会の登録団体も対象
市の答弁
対象となります。
実際に、 社会福祉協議会に登録している団体にも 交付しているとのことです。
市民活動は何を生み出している?
補助金や交付金を見ると、 どうしても 「何団体にいくら出したか」 という話になりがちです。
しかし資料では、 実際にどんな地域課題の解決につながったか についても確認されています。
市の答弁
市内には、 高齢者を対象に 買い物移動支援を行っている団体が2団体あります。
そのうち1団体では、 令和7年度に 31回、延べ365人 の買い物支援を行っています。
鹿嶋ふるさとガイドは9,404人を案内
もう一つ紹介されているのが、 「鹿嶋ふるさとガイド」です。
市の答弁
令和7年度は、 9,404人 を対象に観光案内を行いました。
前年度と比べて 14%増 となっています。
また、 新人ガイドの養成も行い、 活動の継続につなげています。
市民活動への支援を見る場合、 何団体にいくら交付したかだけでなく、 活動によってどのような成果が生まれたかという視点もあります。
買い物に困っている高齢者を 何人支援できたのか。 観光客に鹿嶋の魅力を 何人へ伝えられたのか。
こうした 地域課題への対応や活動実績 も、資料で確認できるポイントです。
自治会施設は建てた後の維持も課題
コミュニティ施設への助成についても 質疑が記載されています。
市の答弁
備品などを整備する 一般コミュニティ助成については、 任意団体でも申請できます。
一方、 コミュニティセンター助成については、 建物の登記が必要となるため、 認可地縁団体の設立申請が必要です。
さらに、 自治会加入者が減少する中で、 集会所などを建設した後の 維持費や大規模修繕も課題になります。
市の答弁
大規模修繕については、 コミュニティ助成事業補助金の 対象となる場合があります。
個別に確認が必要なため、 まずは地域づくり推進課へ 相談してほしいとしています。
傷害補償を本当に外してよいのか
ボランティア活動を行う人が 安心して活動できるよう、 本人のけがについても 何らかの補償を残すべきではないか、 という意見が出されています。
また、 市民活動保険が無記名式であることや、 他の保険制度との補償の重複なども踏まえ、 制度全体を見直すべきとの意見も記載されています。
市も、 傷害補償が安心感につながっていたことは認め、 今後も他自治体の状況などを踏まえて 調査研究するとしています。
総務生活分科会の資料を見ると、 鹿嶋市の市民活動支援では、 保険や交付金制度の見直しが進められています。
市民活動保険では、 本人のけがに対する傷害補償を終了し、 高額な賠償リスクに備える 損害賠償補償を残しました。
一方、 ボランティア活動交付金は 3年間のサンセット方式としながら、 制度そのものは継続し、 対象団体については 令和9年度から新しい報奨金制度へ 切れ目なく移行する方針です。
そして、 実際の市民活動では、 買い物支援で延べ365人、 鹿嶋ふるさとガイドでは9,404人への案内など、 具体的な活動実績も示されています。
行政だけでは対応しにくい地域の課題に、 市民活動が関わっている事例もあります。
支援制度を見直す際には、 活動する人の安心や制度の継続性、 実際の活動実績などをあわせて 見ていく必要があると思います。
※令和7年度決算審査・総務生活分科会委員長報告別紙に記載された質疑・答弁・意見をもとに、読みやすいよう要約・整理しています。

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