冤罪被害者の人権救済のための請願は、またも慎重審査で先延ばし

私の所属する総務委員会には、先日ご報告した「選択的夫婦別姓制度」の他にも請願があげられていました。

請願の主旨は「刑事訴訟法の再審規定の改正を求めるもの」であります。

簡単に具体的に、どのような内容なのか?

これは、刑事事件で有罪とされた方々の中には、「私は無罪だ。もう一度証拠を調べてほしい」と訴えている方がいます。

 つまり冤罪(えんざい)により投獄されている方々を救済するために、検察が持っている証拠を開示してもらい、再度、審理をしてもらいたいというものです。

 先日の読売新聞の社会面でも、当時厚生労働省課長であった、村木厚子さんの事件を引用しながら、検察のストーリー(見立て)ありきの強引な捜査手法についての批判記事が掲載されていました。
 記事の中でも、「優秀な検事は、自白させるのが上手い。そして出世していく」という旨の内容が書かれていました。

 検察官であっても人間です。時には間違いを犯すかもしれません。
今のように、科学捜査が普及していなかった、過去の重大事件の受刑者の中には、証拠資料を基に、科学捜査を行うことで、冤罪が立証される方も、いるのではないでしょうか?

 数十年前は、科学捜査というよりも、被疑者の自白や、目撃者の証言などを根拠に、捜査が進められ、そこで作成された調書をもとに、裁判が行われていました。密室での取り調べだったので、どんな状況で自白したのかもわかりません。

だからこそ、私は、今もなお冤罪を訴えている方の主張が正当なものであるならば、検察が持っている証拠を公開し、再度の審理をすることは、人権を救済するうえで、必要なことだと考えています。

 刑事事件の被害者は当人だけでなく、その家族、親族にまで、その汚名がかぶせられ、重大な人権侵害が行われています。

人気作家の東野圭吾さんも、犯罪加害者の弟を主人公にした、「手紙」という作品で、加害者の親族が職場で差別にあったり、小さな子供が公園で仲間外れにされる様子などが描写されていました。

冤罪によって、受刑者だけでなく、その周りの方々まで、とてもツライ思いをしているのです。

 私は、減刑しろ、釈放しろ、と言っているのではなく、現代の証拠捜査能力に照らして、検察が表に出すことの無い証拠資料を公開してくれといっている請願者の想いを理解しているので、この請願に賛成の意を示しています。
 しかし、鹿嶋市議会総務委員会の判断は、
「考える時間が欲しいから、継続審査とする」

という結果でした。

 総務委員会は委員長を除くと6人で審査します。

議員有志八人の会のメンバーは、私を入れて3人が賛成意見。

未来かしまのメンバーが、「考える時間が欲しいから、継続審査だ」
と主張し、平行線のままです。

 ちなみに、この請願の紹介議員は、有志八人の会のメンバーの田口議員なので、すんなり請願を通したくないのだろうと、私は思っています。

 私は、冤罪被害者の名誉が一刻も早く、回復できる機会が増えることを願って、次回の議会でもこの請願については、可決するべきだと訴えていきます。

以下、鹿嶋市議会に提出された請願の全文になります。

【請願】  

 令和元年請願第1号国に対し,「刑事訴訟法の再審規定(再審法)の改正を求める意見書」の提出を求める請願

[請願の要旨]

①再審における検察手持ち証拠の全面開示

②再審開始決定に対する検察の不服申立て(上訴)の禁止を内容とする「刑事訴訟法の再審規定(再審法)の改正を求める意見書」を貴議会において採択され,国へ提出していただきたく請願いたします。

[請願の理由]
 再審は,無実の者が有罪とされた冤罪被害者を救済する最後の砦です。罪を犯していない人が,犯罪者として法による制裁を受ける。これは,冤罪です。冤罪は人生を破壊し,人格を否定すると同時に,法制度自体の正当性を失わせるものです。冤罪はあってはならないと誰しも認めることでありながら,後をたちません。
 2010年,足利事件に始まり,布川事件,東電OL事件から,2016年,東住吉事件に至るまで,無期という重罰事件の再審無罪が続きました。また2014年には,袴田巖さんが47年ぶりに死刑囚監房から解放されるという歴史的な出来事もありました。

 そして最近では湖東記念病院人工呼吸器殺人事件で12年間服役した西山美香さんが,今年3月31日に再審無罪判決を勝ち取り,マスコミでも大きく報道されました。

 しかし,これらの事件で再審開始が認められて無罪となる過程では,つねに検察による甚大な妨害が立ちはだかっていました。

その大きな壁の一つは,検察が捜査で集めた証拠を隠匿し,証拠を開示しないことです。

 再審請求では,無実を主張する請求人と弁護側から,新規・明白な無罪証拠を提出することが求められます。ところが,証拠のほとんどは強制捜査権を持つ警察・検察の手にあるだけでなく,当事者主義の名の下に,それらは開示する義務はないとされ,しばしば無罪証拠が隠されたまま,有罪が確定する事例が後を絶ちません。

無罪となった再審事件で,「新証拠」の多くが,実は当初から検察が隠し持っていたものであった事実には,心が凍る恐怖を覚えます。無罪証拠が当初から開示されていたら,冤罪は生まれず,当事者の人生は全く別のものとなっていたからです。

 通常審では,公判前整理手続きを通じて,不十分ながらも一定の要件で証拠開示が制度化されました。しかし再審における証拠開示には,何一つルールがありません。その結果,証拠が開示されるか否かは裁判官の個別判断や検察官の任意に委ねられることとなり,法の下の平等原則さえも踏みにじられています。

次に大きな壁は,再審開始決定に対する検察による不服申立てが許されていることです。

 大崎事件の原ロアヤ子さん(90歳を超えました)は,検察の即時抗告,さらに特別抗告により,再審が未だ実現されていません。

 袴田事件は検察の即時抗告によって再審開始決定が取り消され,再審請求審が無用に長期化しています。名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんにいたっては,1964年一審無罪判決,2005年再審開始決定を得ながら,検察の即時抗告,異議申立てにより,89歳で無念の獄死をとげられました。

 公益の代表という検察官の法的地位からしても,裁判所の決定にいたずらに逆らい,こうした悲劇をくり返すことに,法的な制限を加える必要があることは明確です。このように,再審における証拠開示制度の確立,検察官の上訴制限が,無辜の救済のための焦眉の課題です。

 現行の刑訴法の再審の規定は,日本国憲法39条を受けて不利益再審の規定を削除しただけで,大正時代の旧刑訴法のままです。現行の再審規定のルーツである職権主義のドイツもすでに50年以上前に再審開始決定に対する検察上訴を禁止しています。

 また,証拠開示については,2016年の刑事訴訟法の「改正」の附則において,「政府は,この法律の公布後,必要に応じ,速やかに,再審請求審における証拠の開示」について検討をおこなうとしており,政府はこれをふまえ,証拠開示の制度化をおこなうことが求められています。

 無辜の者を誤った裁判から迅速に救済するために,いまこそ次の点について刑事訴訟法の再審規定(再審法)の改正を求めます。

【請願事項】

1.再審における検察手持ち証拠の全面開示。

2.再審開始決定に対する検察の不服申立て(上訴)の禁止。

ここまで、請願より引用

コメント

タイトルとURLをコピーしました