鹿嶋市の空き家について、
気になる数字が示されました。
令和5年に総務省が実施した住宅・土地統計調査によると、
鹿嶋市の空き家率は20.6%と推計されています。
全国平均は13.8%、茨城県平均は14.1%ですから、
鹿嶋市はそれらを大きく上回っています。
これから人口減少が進んでいく中で、
空き家を単に「管理する」だけではなく、
まだ使える住宅を、できるだけ早い段階で
次の人につなげていくことが必要ではないか。
今回の一般質問では、
この視点から鹿嶋市の空き家対策について質問しました。
鹿嶋市の空き家率は20.6%
市の答弁によると、
総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、
鹿嶋市の空き家率は20.6%と推計されています。
市の答弁
空き家率を比較すると、
全国平均 13.8%
茨城県平均 14.1%
鹿嶋市 20.6%
県内の市町村と比べても、
高い数値となっています。
一方、市が現在把握している空き家は364戸です。
その内訳は、
特定空家 1戸
管理不全空き家 45戸
経過観察中の空き家 318戸
合計 364戸
市は所有者に対して、
適切な管理を促すための指導や助言を行っています。
半数を超える所有者から回答が得られていない という課題も明らかになりました。
「そのうち売ろう」が難しくなることも
私は行政書士として、
相続手続に関わる仕事もしています。
その中で、
相続手続が終わった後も売れないままになっている空き家を
目にすることがあります。
また、相続した住宅の売却などに関わる中で、
「これだけ状態のよい住宅でも、
立地などによってこんな価格になってしまうのか」
と感じることもあります。
空き家を所有している方の中には、
「急いで売らなくてもいい」
「そのうち処分すればいい」
と考えている方もいらっしゃると思います。
しかし、その間にも建物は古くなります。
さらに今後、空き家や中古住宅そのものが増えていけば、
売りたい住宅が増える一方で、
住宅を購入する人が少なくなっていくことも考えなければなりません。
今年なら売れる住宅が、
5年後、10年後にも同じように売れるとは限りません。
人口は減少、世帯数はまだ増加
今回の質問では、
鹿嶋市の人口と世帯数の変化についても触れました。
鹿嶋市は人口減少に入っていますが、
世帯数については、まだ増加傾向にあります。
私はその背景の一つとして、
団塊ジュニア世代の子どもたちが、
就職や結婚などによって新しい世帯を持つ年代に入っていることも
あるのではないかと考えています。
しかし、これから先は、
若い世代そのものの人口が少なくなっていきます。
そうなれば、
新しく生まれる世帯数の増加も、
いずれ鈍化していく可能性があります。
一方で、新築住宅やアパートが建ち続け、
既存住宅がそのまま残れば、
住宅全体に占める空き家の割合が
さらに高くなる可能性があります。
だからこそ、
まだ利用できる住宅を、
利用できるうちに次の所有者へつなぐことが重要
だと考えています。
鹿嶋市も空き家対策を進めています
もちろん、
鹿嶋市もこれまで何もしてこなかったわけではありません。
令和7年に「第二期鹿嶋市空家等対策計画」を策定し、
空き家の発生抑制や利活用、
管理不全空き家への対応などを進めています。
その一つが「鹿嶋市空き家バンク」です。
市の答弁
空き家バンクへの登録に至った件数そのものは2件です。
しかし、登録申請をきっかけとして、
登録前に不動産業者との売買契約が成立したものを含めると、
結果的に8戸が利活用された とのことでした。
「空き家バンクへの登録件数」だけを見るのではなく、
相談をきっかけに実際の売買につながった住宅もあるということです。
解体・改修には最大50万円の補助も
鹿嶋市では、
空き家に関する経済的な支援制度も設けています。
「鹿嶋市既存ストック利活用補助金」により、
・倒壊などのおそれがある不良住宅の解体費用
・空き家バンクに登録された物件のリフォーム費用
に対して、
最大50万円の補助が行われています。
令和3年から本年度までの実績は、
解体 67件
改修等 13件
合わせて80件に補助金が交付されています。
こうした制度があること自体を知らない所有者も、
まだいるのではないでしょうか。
「管理してください」から一歩踏み込む
鹿嶋市では以前、
固定資産税の納税通知書を発送する際に、
「あなたの空き家大丈夫ですか」と題したチラシを同封しています。
その後、空き家に関する問い合わせや相談が増え、
一定の効果があったとのことです。
そこで私は、
もう一歩踏み込んだ情報を
所有者に届けてはどうかと提案しました。
・空き家を所有し続けた場合に考えられること
・老朽化してから解体する場合の費用負担
・売却を検討するなら早めに相談するという選択肢
・利用できる市の支援制度
単に、
「空き家を適切に管理してください」
とお願いするだけではありません。
「今ならどんな選択肢があるのか」を、
所有者に具体的に伝えることが必要ではないでしょうか。
市の答弁
売却や解体費用の動向など、
より具体的で踏み込んだ情報を示すことは、
有効な手法の一つである
との答弁がありました。
空き家を「負担」から「住まい」へ
空き家が老朽化し、
草木が繁茂したり、倒壊の危険が生じたりしてからでは、
所有者にとっても地域にとっても負担が大きくなります。
行政にとっても、
管理不全空き家や特定空家となってから対応するより、
まだ住宅として利用できる段階で
次の人へ引き継がれる方が望ましいはずです。
そして、状態のよい中古住宅が市場に出れば、
鹿嶋市で住宅を探している方にとっても
選択肢が増えます。
空き家を「問題になってから対処する」のではなく、
「まだ使えるうちに次の人へつなぐ」。
これから空き家がさらに増える可能性を考えれば、
こうした視点がますます重要になってくると思います。
次回は、
行政が持つ情報と不動産業界などをどうつなぎ、
空き家をもっと早く流通させることができないのか。
今回の一般質問で提案した
「空き家を問題物件にする前の仕組みづくり」について
ご紹介したいと思います。

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