空き家を「問題物件」にする前に――行政と不動産業界でもっと連携できないか

前回の記事では、
鹿嶋市の空き家率が20.6%と推計されていることや、
空き家を「まだ使えるうちに次の人へつなぐ」ことの大切さについて書きました。

今回の一般質問で、私がもう一歩踏み込んで取り上げたのが、
行政と不動産業界などが連携して、
空き家が問題物件になる前に流通させる仕組みをつくれないか
ということです。

空き家になってから何年も放置され、
建物が傷み、草木が繁茂し、
近隣から苦情が寄せられるようになってから対応する。

それでは、所有者にとっても、地域にとっても、
行政にとっても負担が大きくなります。

💡 今回のポイント

まだ住宅として十分に使える段階で、
売却や賃貸などの選択肢を所有者に知ってもらい、
次の利用者につなげる仕組みをつくれないか。

「問題になってから対応する」のではなく、
「問題になる前に動く」空き家対策を提案しました。

空き家になる前から考える

空き家対策というと、
どうしても老朽化した建物への対応を思い浮かべます。

しかし、本当に重要なのは、
もっと早い段階ではないかと私は考えています。

例えば、高齢になって施設へ入居することになった。

親が亡くなり、子どもが実家を相続したものの、
すでに別の場所に自宅を持っている。

転居によって、
これまで住んでいた住宅を使わなくなった。

こうした段階では、
建物はまだ十分に使える場合があります。

ところが、
「とりあえずそのままにしておこう」と数年が経過すると、
状況は変わってきます。

🗣️ 私の考え

空き家対策は、建物が傷んでから始めるのではなく、
空き家になった直後、あるいは空き家になる前から考えることが大切です。

市外所有者には情報が届きにくい

今回の質問に対して市からも、
適切に管理された空き家については、
民間の不動産市場で流通しやすいという認識が示されました。

鹿嶋市章 市の答弁

適切に管理された空き家については、
民間の不動産市場で流通しやすい。

一方、特に市外に住んでいる空き家所有者には、
管理や売却に関する情報が十分に届かず、
再利用の機会を逃しているケースがあるとの認識が示されました。

鹿嶋市内に住んでいれば、
地域の不動産業者や市の制度について
情報を得る機会もあるでしょう。

しかし、相続などによって鹿嶋市の住宅を所有しながら、
東京や県外などに住んでいる方の場合、
「どこへ相談すればいいのか分からない」
ということも考えられます。

その結果、判断を先送りしているうちに、
建物が老朽化してしまうこともあります。

参考にした小美玉市の取り組み

今回の一般質問では、
小美玉市の取り組みも紹介しました。

小美玉市では、
空き家の所有者に対して、
売却などに関する情報を届ける取り組みが行われています。

私は、こうした考え方を鹿嶋市でも
参考にできるのではないかと考えました。

大切なのは、
行政が特定の不動産会社を紹介することではありません。

また、行政自身が
不動産売買を行うという話でもありません。

💡 提案のポイント

行政だからこそ届けられる情報と、
不動産の専門家だからこそできることを、
うまくつなぐ仕組みをつくれないか。

行政が持つ情報にはルールがあります

もちろん、
行政が把握している空き家所有者の情報を、
そのまま民間事業者へ渡せるわけではありません。

個人情報の取り扱いなど、
守らなければならないルールがあります。

そのため、行政と民間が連携するといっても、
慎重な制度設計が必要です。

鹿嶋市章 市の答弁

空き家対策に取り組む支援法人との情報共有について、
法令との整合性を確認しながら検討していく との考えが示されました。

🗣️ 私の考え

個人情報を守ることを大前提にしながら、
所有者が希望した場合に専門家へつながれる仕組みを
どうつくるかが重要
だと考えています。

納税通知書を情報発信に活用できないか

そこで私が提案した方法の一つが、
固定資産税の納税通知書を活用することです。

固定資産税の納税通知書は、
市内に住んでいる所有者だけでなく、
市外に住んでいる所有者にも届きます。

鹿嶋市では以前にも、
納税通知書を発送する際に
空き家対策のチラシを同封した実績があります。

その際には、
空き家に関する相談や問い合わせが増えたとのことでした。

それならば、「適切に管理してください」
という注意喚起だけではなく、

💡 一緒に届けられる情報

・空き家バンクという選択肢があること
・売却や賃貸について相談できること
・解体や改修に利用できる支援制度があること
・早い段階で相談することのメリット

こうした情報も一緒に届けることが考えられます。

鹿嶋市章 市の答弁

納税通知書などへのチラシの同封について、
税務課と調整しながら実施の可否を検討していく との答弁がありました。

不動産の専門家につなぐ仕組みを

行政には、
公平性を守らなければならないという役割があります。

一方、不動産の専門家には、
物件の査定や売却、賃貸などを
実際に進めるための知識と経験があります。

行政だけですべてを解決しようとするのではなく、
それぞれの役割を生かすことが必要です。

例えば、所有者にまず選択肢を知らせる。

そして、売却や賃貸を希望する場合には、
本人の意思を確認したうえで、
適切な相談先へつなぐ。

こうした流れができれば、
まだ十分使える住宅が何年も放置されることを
減らせる可能性があります。

🗣️ 私の提案

行政が不動産を売るのではなく、
「所有者と専門家をつなぐ入口」になる。

私は、そのような役割を
もう少し強化してもよいのではないかと考えています。

「問題物件」になる前に動く

空き家が老朽化してしまえば、
売却することも難しくなります。

修繕や解体に必要な費用も増え、
所有者の負担は大きくなります。

さらに、草木の繁茂や建物の破損、
防犯上の問題などによって、
近隣住民にも影響が及ぶ可能性があります。

そうなってから行政が所有者へ連絡し、
改善を求めるのでは、
どうしても「後追い」の対策になります。

⚠️ 問題になる前の対策を

空き家を「問題物件」にしないためには、
問題になる前に動くことが一番です。

そのためには、
所有者自身に早めに考えていただくことと同時に、
行政からも必要な情報を届け、
専門家につながりやすい環境をつくることが必要だと思います。

空き家を地域の「資産」として生かす

人口減少が進む中で、
空き家はこれからさらに大きな課題になると考えています。

しかし、すべての空き家が最初から
「困った建物」なのではありません。

まだ十分住める住宅もあります。

少し手を入れれば、
次の世代が利用できる住宅もあります。

鹿嶋市へ移住したい方や、
市内で住宅を探している若い世代にとっては、
中古住宅が選択肢になることもあります。

✅ 目指したい空き家対策

「空き家=問題」と考えるだけではなく、
まだ利用できる空き家を、
地域の資産として次の人へつないでいく。

そのために、
行政、不動産業界、空き家対策に取り組む団体などが、
それぞれの役割を生かして連携できる仕組みを
考えていきたいと思います。

今回の一般質問をきっかけに、
納税通知書を活用した情報提供や、
所有者と専門家をつなぐ仕組みについて、
具体的な取り組みにつながっていくのか。

私も引き続き確認していきます。

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