デマンドタクシーは1便1.5~1.6人――「乗合い」と利便性をどう両立する?

デマンドタクシーは1便1.5~1.6人――「乗合い」と利便性をどう両立する?

令和7年度決算の総務生活分科会の資料には、 路線バス、デマンド型乗合いタクシー、 鹿島臨海鉄道など、 地域の公共交通についての質疑も記載されています。

公共交通は、 利用者が少なくなるほど 事業として維持することが難しくなります。

一方で、 車を運転できない人にとっては、 生活を支える重要な移動手段でもあります。

今回は、 「効率性」と「地域の足」の両立 という視点から、 資料に記載された内容を整理します。

銚子駅行きバス、沿線自治体の負担が発生

資料に記載された質疑
銚子駅行きの路線バスについて、 神栖市も負担しているのでしょうか。

また、 利用者が少ない中で、 補助を出して維持する必要はあるのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

神栖市も負担しています。

令和7年度は、 銚子駅行き路線の平均乗車人数が 1km当たり5.0人を下回った ため、 沿線自治体による負担金が発生しました。

利用状況には区間によって ばらつきがありますが、 地域住民にとって重要な路線であり、 維持する必要があるとの考えが示されています。

利用者数だけでは決められない公共交通

公共交通では、 「利用者が少ないから廃止」 と単純には決められません。

通院、通学、買い物など、 他に移動手段がない人にとっては 重要な生活インフラだからです。

一方で、 自治体負担が発生している以上、 利用実態や必要性を継続的に確認することも必要です。

デマンドタクシーは1便1.5~1.6人

次に、 デマンド型乗合いタクシーです。

資料に記載された質疑
1便当たり、 平均で何人が乗車しているのでしょうか。

また、 もっと乗合い人数を増やすことは できないのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

現在の平均乗車人数は、 1便当たり1.5~1.6人程度 です。

1便当たり平均乗車人数:1.5~1.6人程度
運行:1時間サイクル

乗合い人数を増やせば効率は上がる、でも…

1台に乗る人数を増やせば、 単純に考えれば 1人当たりの運行コストは下がります。

しかし、 市の答弁では、 それほど簡単ではない事情も説明されています。

鹿嶋市章 市の答弁

現在は、 車両を1時間サイクルで運行しています。

1便に多くの人を乗せると、 それぞれの乗車場所や目的地を回るため、 1便にかかる時間が長くなる可能性があります。

そうなると、 次の運行時間に間に合わず、 現在の運行サイクルを維持できなくなる可能性があります。

また、 乗合い人数が増えれば、 利用者にとっても 目的地までの時間が長くなる場合があります。

「効率」と「使いやすさ」のバランス

乗合い人数を増やせば、 コスト面では効率が上がります。

一方で、 乗車時間が長くなったり、 予約した時間に利用しにくくなれば、 サービスの利便性は下がります。

デマンド交通では、 できるだけ多く乗せることだけが最適とは限らない という難しさがあります。

同じ方向なら原則として乗合い

資料に記載された質疑
同じ方向へ向かう利用者は、 一緒の車両に乗るよう 調整されているのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

基本的には、 同じ方向へ向かう利用者が 同乗するように調整しています。

ただし、 予約が少ない場合には、 別の車両を利用できるよう 調整することもあるとのことです。

「2~3人乗車」を目指すべきとの意見も

資料に記載された委員意見

デマンド型乗合いタクシーについて、 1便当たりの平均乗車人数が 2~3人程度 になるよう工夫すべきとの意見が記載されています。

また、 車両を更新する際には、 セダンタイプではなく ワンボックスタイプを導入できるよう、 必要に応じて市が支援すべきとの意見も出されています。

乗車人数を増やすのであれば、 車両の大きさや運行方法も 一緒に考える必要があります。

家族で乗る場合の料金は?

料金についても、 委員から意見が記載されています。

資料に記載された委員意見

家族が一緒に乗車する場合には、 一般のタクシーのように、 1人分の料金で利用できる仕組みに してはどうかという意見が出されています。

これは資料上では 「意見」として記載されており、 市の答弁や制度変更の決定までは 示されていません。

鹿島臨海鉄道への支援は「旅客事業」

鹿島臨海鉄道への支援についても 質疑が記載されています。

資料に記載された質疑
貨物列車で事故が起きた場合、 自治体の支援対象になるのでしょうか。
鹿嶋市章 市の答弁

自治体が現在支援しているのは、 鹿島臨海鉄道が行う 旅客事業です。

貨物事業については、 自治体による支援の対象とはしていません。

公共交通は「乗る人が少ない=不要」ではない

今回の資料に共通しているのは、 公共交通の難しさです。

利用人数だけを見れば、 効率が悪く見える場合があります。

しかし、 バスやデマンドタクシーを必要としている人にとっては、 代わりの移動手段がないこともあります。

確認したいのは「何人乗ったか」だけではない

公共交通を考えるときには、 次のような点を合わせて見る必要があります。

誰が利用しているのか。
どこへ行くために必要なのか。
代わりの交通手段はあるのか。
運行にいくらかかっているのか。

地域の足を、どう持続可能にするか

総務生活分科会の資料では、 路線バス、 デマンド型乗合いタクシー、 鹿島臨海鉄道について 質疑が記載されています。

デマンド型乗合いタクシーの 1便当たり平均乗車人数は 1.5~1.6人程度です。

乗合い人数を増やせば 運行効率は上がりますが、 目的地まで時間がかかったり、 1時間の運行サイクルを維持しにくくなる 可能性もあります。

また、 銚子駅行きの路線バスについては、 1km当たりの平均乗車人数が5.0人を下回り、 沿線自治体の負担金が発生しています。

一方で市は、 地域住民にとって重要な路線であり、 維持する必要があるとの考えを示しています。

「効率が良いか」だけではなく、 「必要な人の移動をどう確保するか」 という視点も、 公共交通を考える上で重要な要素の一つです。

利便性と費用の両方を見ながら、 持続できる公共交通のあり方を 考えていく必要があると思います。

※令和7年度決算審査・総務生活分科会委員長報告別紙に記載された質疑・答弁・意見をもとに、読みやすいよう要約・整理しています。

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